■「いい家」って何でしょう?■

2022年09月26日

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前橋市で活動する「前橋市不動産売買専門ナビ 甚不動産相談事務所」です。

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本日は「いい家に欠かせない要素」についてご案内いたします。

 

「いい家を買いたい」誰しもそう願うと思います。

しかしいい家だけでは定義があいまいで、結局答えが出せないまま住宅購入の手続きが進んでいきます。

仮に注文住宅でご自身の希望を100%詰め込んだ家を新築したとします。この家はいい家なのでしょうか?

有名な(少なくともそう信じた)建築家に新築を任せた結果、とんでもない欠陥住宅だったというのは実際にある話です。

今回はいい家なるものは存在しないということを前提に、良い住宅購入とは何かについてご説明します。

 

木造?RC?どの工法が良いかの議論

 

家の性質を指し示すものとして工法は無視できません。

大きく分類すると、木造在来工法、木造2×4工法、RC造、SRC造、軽量鉄骨造、鉄骨造などが挙げられます。

それでは一番良い工法はどれでしょうか?

日本に一番多いのが木造だから木造が良いのでしょうか?

マンションはRC造が中心だからRC造が良いのでしょうか?

こういうことを書くとそれぞれを専門にしている方から、木造の良い点、RC造が良い点など様々出てきます。

 

語弊を恐れずに結論を述べると、一番良い工法なんてものは存在しません。

それぞれに工法の持つメリットがあり、また、どの工法にもデメリットが存在するからです。

 

余談になりますが、どれが一番良いか?という判断基準は、事業者による情報誘導に嵌る恐れがあるので、気を付けた方が良いです。

 

ただ、玉虫色の回答だと面白くないので、私の意見を記載します。

 

まずマンションですが、工法を指定して建築することは現実的でないので、マンションを検討される場合はあまり工法を気にしなくても大丈夫だと思います。

制振・免振構造や基礎の構造など、気にすれば気になることはありますが、どれだけ地盤を気にして建築されていても液状化は起きてみないとわからないですし、制振構造のマンションを買いたい!と言ってもそれを狙って買うことは現実的ではないからです。

 

次に一戸建てですが、これは全国のビルダーさんからいろいろ文句が来そうですが、私は木造在来工法が無難だと思います。

理由は存在数が最も多く、取り扱うことができる工務店・リフォーム会社が多いため、結果的に費用が安くなるためです。※木造在来工法が扱えない事業者は工務店・リフォーム会社と名乗らない方が良いくらい一般的な工法です。

 

一戸建てのRC造や鉄骨造の住宅を購入した場合、キッチンやお風呂など住宅設備の交換程度なら問題ないのですが、住宅性能にかかる部分に支障が出た場合、その改修工事を取り扱える事業者はかなり少なく、結果的に高額になります。

地震、土砂災害、水害、火災など住宅に関係する災害を想定すると、私の家は絶対大丈夫と言い切れる家は存在しません。

いざという時に、全壊を免れ軽微な損傷で済んだはずなのに、改修費用が思ったよりも高額になることが想定されます。

また、実際に被災しなくても、建築基準法は大きな災害の教訓を踏まえて年々改正されるので、新しい基準に適合させようとした時に、多額の費用がかかってしまいます。

 

建物の維持管理や性能調査の方法も木造住宅とは異なるので、その工法に詳しい方でないと適切な維持・保全を判断することが難しく、結果的に新築時に携わった住宅メーカーにずっと囲われてしまうことも想定されます。

 

機能性に優れた家がいい家なのか?

 

住宅に機能性を求めるのも少し危険です。

住宅メーカーのホームページや新築のパンフレットなどを見るとよくわかるのですが、建物構造のメリットと、単なる住宅設備のPRが混ざって紹介されることが多いからです。

また、住んでみて快適だ、使ってみて便利だというのは、家の場合は間取りや広さの影響が大きく、結局のところ、広ければ広いほど良い、使い勝手はリフォームで何とかする、という身も蓋もない意見となってしまうのです。

 

東京都が設置に前向きな太陽光発電も、設置コストがまだまだ高く、機器の耐用年数などネガティブな意見も多いのでまだまだ発展途上と言えるでしょう。

中古で購入した戸建てにたまたま設置されていたらラッキー(?)ですが、無くてはならないと言えるほどのものではないです。

その他、断熱性能や家の気密性を訴える事業者もいますが、住んでいる地域に寄って優先度が異なり、光熱費が安くなることを売りにしている事業者が多いですが、言い換えると光熱費が安くならなくても良ければ住むことはできるということになります。

 

住宅の機能性が気になる方は、新耐震(1981年6月)移行の建物の特徴を振るものから順に追っていくと理解できると思います。

昭和から平成にかけて住宅分野においても技術が確実に進歩していますが、これがないと困る、不便だと言えるようなイノベーションはそれほど多いわけではありません。

 

住宅の機能性は事業者が積極的にPRするポイントなので、気になっている方は他の事業者の提案を聞くとか、住宅業界でない人の意見を聞いてみるとか、多角的に情報を拾った方が良いと思います。

特に「少し予算をかければ〇〇できる」という甘い言葉には乗せられないようにしましょう。

 

住んでる地域が良い

 

住宅購入は建物と土地の購入です。

当然ながらどの街を選ぶかというのはいい家かどうかの判断に影響します。

仮に大富豪が建てるような豪邸だったとしても、周りに人がほとんど住んでいないような過疎地では不便で仕方ありません。

また、どれだけお得な物件だったとしても、土砂災害危険区域内や津波警戒区域の物件は、一度災害に見舞われると途端にいい家ではなくなります。

 

ソフト面で言うと、UR賃貸のCMのようにいろんな世代が共生している街は良い街と言えますし、都市部の住宅街のように、近所付き合いがほとんどない生活は良い状態とは言えません。

ただ、田舎は過干渉という意見もあるのでソフト面での判断は人によるものが大きく、〇〇だから良い街だ、良い家だ、という理由にするのは難しいと思います。

 

住宅は結局のところ「ハコ」でしかない

 

これまで記載してきたように〇〇だからいい家だ、という理由はありません。

結局のところ、どんなに優れた住宅でも、その空間をどのように活かすのかは住んでいる人によるので、愛着を持って家を育てていくことができるのがいい家に欠かせない要素とも言えるでしょう。

 

そういった観点で見ると、住宅というのはただのハコでしかないので、特定の使い方しか適さない尖った設計の家よりも、汎用性に優れた家の方がいい家に育つ可能性が高いです。

後からどうしようもない要素として「広さ」がありますので、普通の間取りの家の中から、なるべく広いものを選択するのが失敗が少なくなりそうです。

 

住宅業界で「住宅は3回建てないと理想の家にならない」と言われることがあります。

何が自分にとって、あるいは家族にとって最適なのかは、住んでみないとわからないことも多いのです。

これから家を買う方にとっては、「失敗したらどうしよう」「悪い家だったらどうしよう」と心配されるかもしれません。

 

冒頭にいい家というのは存在しないと申し上げましたが、一つだけあります。

それは「資産価値が下がりにくい家」は「いい家」だということです。

その家は機能性や居住快適性などで家族を幸せにするのではなく、将来の資金面で家族を守ってくれる存在となります。

 

自分や家族には合わない家でも、誰かにとっていい家である可能性はあります。

住んでみて良くない家だとわかったら、売却して、もう一度買うことができれば、そんなに恐れなくても大丈夫です。

 

新築ではなく中古住宅を選択する、家に機能性を過剰に期待しない、人が集まる街を選ぶ、など資産価値が下がりにくい家を買うにはいくつか条件があります。

大切なのは住宅そのものではなく、家の買い方です。

買い方さえ間違わなければ失敗はリカバーできます。

当社は資産価値が下がりにくい住宅購入をお手伝いする不動産会社です。

気になる方はお気軽にご相談ください。

 

 

 

 

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