■令和時代の住宅購入■

2023年10月17日

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前橋市で活動する「前橋市不動産売買専門ナビ 甚不動産相談事務所」です。

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多くの方が家を買おうと思い立った時にポータルサイトなどで物件広告を見始めます。

住宅購入なのだから家を探すのは当たり前ではないか、と言われそうですが、気に入った物件を買えばいいという価値観はこれからの時代では通用しなくなるかもしれません。

今回はこれからの住宅購入で最も重要などこに家を買うかという考え方についてご説明いたします。

 

■人口が減る街では生活の質が維持できなくなる

先日ちょっとびっくりしたニュースを見つけました。

 

訪問介護220カ所廃止や休止に、現実になってきた〝ヘルパーが来ない未来〟 「あんなにバッサリやめるとは…」社協が相次ぎ撤退

https://www.47news.jp/9896777.html

 

人手不足で訪問介護施設が相次いで廃止や休止になっているという内容です。

介護業界の人手不足は業界が抱える賃金などの問題もありますが、根底にあるのは人口減少です。

AIを活用した生産性向上対策が叫ばれていますが、まだまだ人でないと成り立たない仕事は多く、働き手がいない街ではサービス提供もままならず、また、利用者が少ない街では事業そのものが成り立ちません。

 

ご存じのように日本は極端な少子高齢社会に突入しています。

高齢者の割合が高く、本来であれば利用者が多い=事業性が見込めるという判断になるのですが、それでも事業が成り立たず廃止に追い込まれているのは、少しショッキングなニュースでした。

 

事業を維持するだけの人口が保てなくなると、スーパーなどの商店は閉店を余儀なくなくされ、コンビニは撤退し、病院も経営が維持できず、学校も統廃合となります。

経営破綻した夕張市は有名ですが、自治体が破綻してしまうと、ごみ収集など生活に密着した行政サービスすら危うくなります。

 

日本の人口問題は一朝一夕には解決できません。

初めて住宅購入する世代を一次取得者層と呼びますが、35歳±5歳と言われます。

仮に今年爆発的なベビーブームが発生したとしても、その子供達が家を買うのは30年以上先の話になるので、これから家を買う人は(本当にベビーブームが発生すれば待つという選択肢もありますが……)今よりも住宅購入する人が少ない社会で、購入した家を売却しなければならないという状況になります。

 

■車社会だから……が通用しなくなる時代

住宅の資産価値は立地です。

都市部か郊外かという広域立地と、最寄り駅からの距離などで判断する狭域立地という考え方があります。

地方や郊外で家を探す方が「この辺は車社会だから」「車があれば大丈夫」ということを仰られますが、言い換えると車がなければ生活に困るということになります。

高齢ドライバーの自動車事故の問題は最早日常茶飯事と言っても差し支えないレベルとなっており、車がなければ生活に困る街だとしても、ある程度の年齢になったら車が運転できなくなることを想定しなければならなくなっています。

その時になったらバスやタクシーを利用するから、と言っても、民間企業なので赤字なら維持できなくなりますし、先ほどの訪問介護と同じで働き手がいなければサービス提供ができません。

訪問介護のニュースにも記載されていましたが、こういった社会問題が話題になると、行政による補助金というようなコメントを良く目にします。

ただ、補助金はあくまで補助なので、常態化することができません。利用者が少ない、働き手がいないなど根本の問題が解決できなければ、遅かれ早かれ事業を廃止せざるを得なくなります。

また、こういった人口問題に起因する社会問題に対して、都度補助金で解決しようにも、人口が減るということは税収も減るということで、行政による対応も限界があります。

車社会だからこそ、狭域立地にこだわって住む場所を厳選する必要があるのです。

 

■日本は住む街の選別を余儀なくされている

人口減少社会ではこれまでと同じようなサービスを維持できなくなります。これは民間企業に限ったことではなく、行政サービスも同じです。

日本は災害大国ですが、仮に土砂災害で道路がふさがってしまったとしても、それを直す予算がなければどうしようもありません。

道路や橋などの社会インフラは作ってしまえば永久に利用できるものではなく、当然ながらメンテナンスが必要です。

これまでのように公平性を重んじて満遍なく対応することが不可能になるので、より利用者が多い場所を選別し、限られた予算を集中させる必要が出てきます。

ここから先日本で行われること(行わなければならないこと)は、人が住む街と捨てる街の選別です。

最もこの選別も一朝一夕には行きません。

家という財産を持っている住人がいる以上、突然「もうここには住めません」とはいかないからです。

親から子供へ世代交代するくらい長いスパンで、緩やかに人が住む街へ誘導していくのが現実的な対策となります。

最も重要なのは、こうした動きがこれから始まります、ではなく、もうすでに国では動き始めているということです。

立地適正化計画という政策があります。今のところそんなに大きな影響のある制度ではないのですが、国がすでに動き始めているという点についてはきちんと受け止める必要があります。

 

■令和時代の住宅購入は将来売れる家を選ぶ

これからの時代で最も重要なのが、必要になった時にいつでも売れる家を買うということです。

かつての新築偏重時代には、家は一生で一回の買い物、終の棲家、というような言葉が一般的でした。

少し前になりますが、老後資金の問題が大きくニュースになったことがあります。長寿は喜ばしいことなのに、長生きリスクとまで言われるようになっています。

十分な老後資金が貯蓄できる方は良いのですが、多くの方はそんなにまとまったお金を用意することは難しいのではないでしょうか。

家を売るという概念がないために、住宅資産は無くなってから現金化されることが多いのですが、老後に必要なタイミングで資金化できれば、生活の質を向上させることができるはずです。

家は一生で一回の買い物は最早死語と言っても良いでしょう。これからの住宅購入は将来売ることができるというのが絶対条件です。

とは言え10年も20年も先のことは誰にもわかりません。だから、より安全な方を選択する必要があります。

現時点で若者がいない郊外の街と、商業施設やオフィスビルが立ち並ぶ中心部では、どちらが将来売れそうですか?

ショッピングモールの近くだからと選択される方もいらっしゃいますが、そのショッピングモールはいつまで営業を維持できそうでしょうか。

せっかくの住宅購入だからといって贅沢に建築・リフォーム費用を費やす方がいらっしゃいますが、10年~20年後にかけた費用分高く買ってくれる人がいるのでしょうか。

もちろん住宅購入は合理性だけを追及するべきではありません。

ただ、かつてのように自分中心な選択を追及してしまうと、ここから先は本当に厳しい状況に追い込まれる恐れがあります。

 

大切なのでもう一度。住宅の価値は立地が全てです。

どんな家に住むよりも、どこに住むかの方が重要な時代となったことをご理解ください。

 

 

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