■マンション修繕の決議が出席者の、、?■

2023年06月30日

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前橋市で活動する「前橋市不動産売買専門ナビ 甚不動産相談事務所」です。

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政府は分譲マンションの修繕方針などを決める住人集会について出席者の過半数の賛成で決議できるよう法改正を検討するようです。

現在は欠席を反対と見なすため賛成不足で決議できない場合があり、増加する老朽マンションの改修が進まない要因となっています。

 

■2024年度にも区分所有法の改正を目指す?!

その為、法相の諮問機関である法制審議会で議論し、2024年度にも区分所有法の改正を目指すようです。そもそも区分所有法第三十九条には次のように規定されており、別の定めを管理規約で規定することが許されています。

 

区分所有法第三十九条(議事)

集会の議事は、この法律又は規約に別段の定めがない限り、区分所有者及び議決権の過半数で決する。

 

区分所有法では、区分所有者と議決権の過半数としか規定されておらず、「出席者の」とはなっていません。そこで、ほとんどのマンションでは、標準管理規約第47条第2項のような管理規約に別段の定めをしています。

 

標準管理規約第47条(総会の会議及び議事)

第2項 総会の議事は出席組合員の議決権の過半数で決する。

 

区分所有法自体を標準管理規約と同じように出席者の過半数にするということです。特別決議が必要な修繕に関しても、出席区分所有者の4分の3以上に改正すること、また、管理規約に改正についても同様に出席区分所有者の4分の3以上に緩和することも検討されるとのことです。

 

■築30年以上の分譲マンションは21年末時点で全国に249万戸ある!

国土交通省によると、ほぼ全てのマンションは建設から30年たつまでに少なくとも1回は大規模修繕をする。築30年以上の分譲マンションは21年末時点で全国に249万戸あるようです。20年後にはおよそ2.4倍の588万戸になる見通しとの事でした。

 

■12年周期で大規模修繕を行うことが一般的な目安とされている!

適切な時期に修繕をしないとマンションの価値が落ちると言われます。分譲マンションの長期修繕計画は、12年周期で大規模修繕を行うことが一般的な目安とされています。

 

最近では15年や18年などへ周期の見直しの提案を行う管理会社も出てきましたが、重要な事はきちんと修繕ができるようにするという事です。老朽化を放置すれば外壁がはがれるような事故も起こりかねないですし、階段やエレベーターの修理が必要になることもあります。今回の改正は修繕決議の要件を緩和して改修を後押しする狙いがあります。

 

■マンションの外壁については3年ごとの定期報告が必要となる!

平成20年4月1日に改正された建築基準法第12条に基づく定期報告制度により、竣工・外壁改修後10年を経てから最初の調査の際に全面打診等による調査を行い、平成28年6月より変わった定期報告制度により、マンションの外壁については3年ごとの定期報告が義務付けられました。定期報告は定期的に専門技術を有する資格者(一級二級建築士、国土交通省が定める資格を有する者)に調査・検査を行わせ、その結果を特定行政庁へ報告する必要があります。

 

※打診調査とは、タイル貼りやモルタルの表面を打診棒やテストハンマーを用いて、タイルやモルタルの浮きの程度を調べる方法です。叩いた時の音の反響で異常を判断するため、知識と経験が必要になります。

この全面打診調査を行うには、建物の規模にもよりますが足場が必要になる場合が多いです。大規模修繕にも足場の組み立てと解体が必要であるならば、別々に行うよりも同時に実施した方がコスト面で無駄がないことになります。

 

■マンションの取引も新築より、中古の流通が増えるようになっている!

不動産調査会社の東京カンテイ社の調査によると、中古マンションの全国の市場規模はおよそ3.4兆円(2022年10月~12月)となっているようです。2019年同期と比べると新築マンションが1割近く減少した一方で、中古は3割ほど拡大しました。

 

古いマンションでも管理が行き届いていれば地域に人を呼び込む魅力となります。

 

マンションは共用部分などを修繕する際、所有者で構成する管理組合の集会での決議が要ります。物件管理に無関心な住人や別の場所に住んでいて連絡がつかない人が居ると欠席者が多くなります。

 

現在は欠席して委任状や議決権行使書による賛否表明もなければ反対として扱う為、改修などに必要な決議が出来ないケースがあります。

 

特に大規模マンションで出席者が少ない傾向があり、都内のタワーマンションの3割程度は出席率が7割未満という調査結果が出ているようです。

 

法制度は所有者の5分の4の賛成が必要な建て替えに関する決議の要件緩和も議論されています。所有者の所在が分からないときは決議の参加対象から除外する案があり、多数決の要件を4分の3以下に引き下げる事も検討される予定です。

 

建物の構造を変えるような大規模改修に必要な要件も緩める方向であり、現在は所有者の4分の3以上の同意が必要となっていますが、「出席者」の4分の3で可能にすべきとの意見が出ているようです。

 

マンションの管理規約の変更も同様に緩和を協議し、防犯や災害対策で規約を変更する機会が増えています。決議の円滑化を求める声があがっているようです。

 

 

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